少数の男性の中(女性も)には、自慰(オナニー)中にふと気を失うといった経験がある方がいます。
これって放置して大丈夫なの?と不安に感じた方も多いのではないでしょうか。
結論から言いますと、放置はおすすめできません。
なぜならこの気絶の背景に何らかの疾患が潜んでいる場合があるからです。
オナニー死・腹上死を知っていますか?
文字通り、オナニー中、または性行為中に意識を失いそのまま亡くなってしまうことを言います。
アメリカでは年間、3761人が自慰中に死亡しているという統計があります。
日本でも年間200~300件、東京23区内だけで20~30件、自慰中に亡くなるというケースが報告されています。
一体なぜ、自慰中または性行為中に亡くなってしまうのでしょうか?
性的興奮・射精は心負荷が高まる
人間は性的興奮が増すと、心拍が増加、呼吸数も増えます。
この時に体の中では一過性に血圧が高くなります。
これがネックなのです。
この一過性の高血圧が背景にある疾患を不可逆的に悪化させた結果、死に至ることがあるのです。
例えば脳動脈瘤という血管の瘤が、一時的な血圧の上昇により破裂。
これが起こると一気に脳圧が高まり、場所にもよりますが致命的な状態に陥るケースが多いと考えられます。
同じく、心筋梗塞、肺塞栓なども一過性の高血圧により引き起こされることが多く、自慰がその引き金になると考えられるのです。
これと同じ状況は冬場の入浴などでも起こります。
毎年、寒い時期になるとテレビCMなどで注意喚起されていますね。
テクノブレイクが起こる
こちらも自慰中に死亡する原因の一つ。
テクノブレイクとは性ホルモンの過剰分泌によっておこる症状を総称。
過度に自慰を行うことで、性ホルモンが過剰分泌された結果脳波が乱れ、心肺停止に至るケースが実際に起こっています。
一日に何度も自慰を行っている場合の失神では体内でテクノブレイクが起こっている可能性があり、危険です。
回数を控えるとともに、受診することをおすすめします。
問題のない場合もある
性的興奮が血管迷走神経反射を引き起こします。
この場合は脳への血流量が一時的に低下したことで、引き起こされます。
既往疾患などが無い場合でも、強いショックや情緒的ストレス過多などメンタルの激しい変化によっても引き起こされます。
よく血が苦手な人が採血中に倒れることがありますが、これが血管迷走神経反射による影響です。
脳に障害を残すことなく回復するため、あまり重要視されてはいませんが、この失神が起こることよりも、意識を失う際に頭を打ち付けるなどの怪我を負う可能性があります。
血管迷走神経反射は寝た状態では起こりません。
この反射で気絶が起こっているのであれば、寝た状態で行うことで失神を避けることができます。
まとめ
オナニー中の気絶・・・。
意外と多くの男性が経験しているようです。
ですがそれを問題視している人はどれくらいいるでしょうか。
「気絶するほど気持ちよかった」と解釈をして自分を納得させようとしていませんか?
ですが快感だけでは人は気絶しません。
そこに激しい興奮が伴うことが原因で気絶に至るのです。
激しい興奮=心臓、脳への影響があることを覚えておいてください。
健康な精子を維持するためにも、自慰は大切な行為です。
しかし、自慰に何らかのトラブルを感じるようであればそれは場合によっては命を脅かす危険因子でもあるのです。
不安に思ったら受診すること。
これがオナニー死を避けるために一番大切なことだと思います。