不妊治療において、男性が受ける検査で最もポピュラーなのがこの「精液検査」ではないでしょうか。
ここでは、不妊治療にデビューしたばかりの男性に向けて、精液検査のいろはをまとめます。
目次
精液検査ってどうやるの?
読んで字のごとく、精液の検査です。
そのため、精液を出してもらわなければなりません。
男性は一回の射精で出た精液すべてを指定された容器に入れる必要があります。
どこで採取するの?
自宅で採取した場合には、基本的には3時間以内に病院に持ち込む必要があります。
また、精子を移動する間は18~22度の温度に保ちます。
多くの方は胸ポケットなど肌に近い場所に入れて持ち運ぶようです。
ただし、時間が経てば経つほど、精子の運動率は低下していきます。
検査を最も正確に行うためには、病院の採精室(メンズルームとも)で射精し、新鮮な精液をできるだけ早く検査する方法がおすすめです。
検査結果はどれくらいで出るの?
上記したように、検査は迅速に行わなければ運動率の正確性が失われてしまいます。
そのため、不妊治療の専門クリニックであれば、即日結果が出るのが通常です。
しかし、産婦人科等では別の期間に検査を依頼することもあり、その場合には検査結果は即日ではない場合があります。
採取から検査まで時間がかかった場合には運動率は平均値を下回っていても異常とは言えない場合があります。
即日検査結果を出すクリニックや病院では、同じくその日のうちに医師から説明があることも多いですが、そこは各施設によって異なるようです。
検査費用はどれくらい?
一般的な精液検査であれば保険適用となるため、数百円~千円程度となります。
しかし、保険適用外の検査項目を加えると、金額が大幅に高くなります。
精液検査では何が分かる?
ここからは精液検査で分かる検査項目についてまとめていきたいと思います。
精液量
精液の量がどれくらいあるかを測定します。
基準値:1.5ml以上
それ以上の精液量であれば問題ありません。
精子数
精液中に含まれる精子の数をカウントします。
基準値:3,900万以上
異常値は2,000万以下となった場合としています。
運動率
確認した精子がどれくらいの割合で運動しているかを測定したもの。
基準値:40%以上
採取から時間が経てば経つほど、運動率は低下します。
なるべく射精から間もないものを検査する必要があります。
奇形率
精子が奇形である割合を測定します。
基準値:96%未満
しかし、この数値WHOの発表をもとにすると、年々緩くなっています。
そのため病院やクリニック毎に独自の基準値を設けているところが多いです。
不妊治療専門クリニックでは大体65~75%未満と設定しているところが多かったです。
精子濃度
精液1ml内にどれくらいの精子数があるかをカウントしたもの。
基準値:1ml中に1,500万以上
こちらもWHOの指標ですが、不妊治療専門クリニック等では1ml中2,000万以上としているところが多いようです。
白血球数
精液中に含まれる白血球の数をカウントしたものです。
基準値:1ml中に100万個未満
精液中に白血球数が多い場合には、なんらかの感染症や炎症などを起こしている可能性が疑われます。
なかでも、精液中の白血球数を多くする原因として多いのが「精索静脈瘤」です。
精液中の精子が多い場合は、なぜ白血球が多くなっているかの精査をする必要があります。
精液検査・まとめ
いかがでしたでしょうか?
精液検査でわかる精子の状態は、採取したタイミングやその時の体調などによっても大きく左右されるため、一度の検査で結論付けるものではなく、何度か繰り返し行う必要のある検査となります。
「採取が難しい」「恥ずかしい」など男性はプレッシャーを感じる検査ではありますが、自身の体を知るため、また妊娠の可能性を探るためにとても重要な検査です。
ぜひ、億劫がらずに自分の精液について興味を持ち、調べてみてはいかがですか?