精子の運動率を高めてスピーディーに卵子に到着させよう!

精子は射精後、自力で卵子まで泳いでいきます。

精子が射精された地点から卵子までの距離はおよそ20cm

たった20cm、と思うかもしれません。
しかし身長0.06mmの精子にとって卵子までの距離は約300km相当だと言われています。
これは東京から名古屋までの直線距離に匹敵します。
精子にとっての卵子までの距離感

この距離を精子は15分ほどで(正確には分かっていません、10時間という説も)卵管まで泳いでいきます。
どれだけのエネルギーが必要になるかを人間に当てはめると「大西洋を泳いで横断するくらい」になるという研究報告がイギリスから出ています。

個人差がありますが、射精時には平均2億5千万と言われる精子。
卵子までたどり着けるのはたった数十~数百の精子だといいます。

このように卵管内で受精能獲得精子をできるだけ多く残すために大切なのは精子の数とスタミナもそうですが、運動する精子の量=精子の運動率を上げることも重要です。

精子の運動率を詳しく!

不妊治療の検査に「精子の運動率」を調べる項目があります。
これは射精された1回の精液中にどれだけ動ける精子がいるかを数値化したものです。

世界保健機関(WHO)の発表では精子の運動率の平均は40%以上とされています。

実際に妊娠を成立するのに必要な精子の運動率は32%とWHOが発表した平均値よりは多少少なくても妊娠する可能性は十分にあります。
また、32%以下であっても絶対に妊娠できないというわけではありません。

しかし確率という観点からは動ける精子の量が多ければ多いほど、妊娠率が高まるというのが現状の考え方です。

どうやったら精子の運動率を高められるの?

妊娠する上で大切な精子の運動率。
精子が活発に動いて卵子までたどり着くために必要な要素を考えれば、その答えは難しくありません。

・正常形態で丈夫な精子を産生する
・精液から供給されるエネルギーをきちんと取り込める精子を産生する
・精液量を増やし、その質を高める

この3つが精子の運動率を高めるために重要な要素になります。
高い運動能力を持つ精子の条件

では具体的にはどうしたらいいのでしょうか?

精子の運動率を高めると言われている栄養素がある

エビデンス(科学的根拠)を元に、精子の運動率を高めると期待されている栄養素がいくつかあります。

L-カルニチン

アミノ酸の一種であるL-カルニチンはエネルギーを作り出す働きがあります。
具体的には脂肪酸と結びつき、ミトコンドリアでエネルギーに作り変えることができるのです。

近年では脂肪燃焼に効果があるとして、ダイエットサプリメントとして注目を浴びています。
精子もまたミトコンドリアを体内に持ち、エネルギーを生産しています。
このL-カルニチンは精子にとっても脂肪をエネルギーに変える役割を担っていると考えられます。

実際、L-カルニチンのサプリメントを服用した結果、精子の運動率が2倍以上改善したというデータがあります。
(詳細:精子を増やす!科学的根拠のある栄養素6種類と効果的な摂取方法
ただし、L-カルニチンを食べ物から摂取しようとするとやや無理が生じます。
妊活男性の一日の推奨摂取量は1,000mg。
牛肉でそれを取ろうとおもったら、一日に1Kgも食べなくてはなりません。

上記研究でも使われているように、L-カルニチンを使用して精子の運動率を改善しようと思うのであれば、サプリメントを利用するのが効率的です。

ポリアミン

細胞分裂の際に遺伝子のコピーの役割を担うのがポリアミン。
細胞の生まれ変わり(新陳代謝)に深く関わっています。
このポリアミンもまた精子の運動率を高めるという研究報告があります。

納豆など大豆の発酵食品に多く含まれているポリアミン。
こちらも食品からの摂取となると一日に納豆を2kgも摂取しなくてはならない計算となり、サプリで取るのがおすすめです。

還元型コエンザイムQ10

原因不明の精子無力症の患者に対して、還元型コエンザイムQ10を一日200mg、6ヶ月間摂取したところ、精子の運動率が有意に改善したという報告があります。

こちらも多くの食品に極微量含まれていますが、精子改善のための量となると一日平均100~200mgとなるため、食事からは難しい栄養素となります。

最近では精子に対しての効果が日本でも広く認知されつつあり、不妊治療の一環として還元型コエンザイムQ10を勧める医療機関もあるようです。

精子が元気なら運動率は自然に上がる

上記したサプリメントを摂取することは、精子に対して直接的に働きかける方法だと言えます。
精子が増えて、運動しやすくするための成分をシャワーのように与えているイメージです。

しかし、もっとマイルドな方法として「日常生活を見直す」ことも大切です。
ストレス過多、睡眠不足、栄養の偏り、過度のアルコール摂取、喫煙、運動不足は精子にとってもよい要因ではありません。
これらを改善することで、精子の質が向上する可能性は大きいです。

全てを一気に行うと、それ自体がストレスになってしまいます。

できる範囲で構わないので、井蛙kつの見直し、改善を心がけてみることも重要です。

スタミナのある精子を多く作るのが大切な理由

尾部の運動がスムーズで、卵子の待つ卵管まで辿りついた精子も、すぐに受精できる状態になっているわけではありません。
卵管の中に入り、精子は少しずつその体に変化を起こしていきます。
これが「受精能の獲得」と言われる現象です。
受精能の獲得

卵管内で受精能を獲得するまでは射精から約5~6時間と言われています。
スタミナのある精子は早い段階で卵管にたどり着き、あとはゆっくりと受精のタイミングを待つのです。

体力を残してこそ、最後の大仕事である卵子との受精を成立できると考えられます。

妊娠の可能性を高めるためには、結局のところ活発に運動できて、さらにスタミナのある丈夫な精子をいかに多く産生できるかにかかってくるというわけです。

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